平成12年(2000年)、厚生省は健康日本2121と言う、健康に関する10年間の方針を発表しました。 この中ではタバコ問題も取り上げられ、2010年までの目標として、“未成年者の喫煙ゼロ、公共施設や職場での分煙徹底、禁煙紫煙プログラムの推進、喫煙が及ぼす健康影響についての知識の普及”等が掲げられました。 更に平成15年には、分煙を推進するため、「受動喫煙の防止」を明記した“健康増進法”が施行されました。
受動喫煙とは、本人の意思にかかわらず、他人の吐き出すタバコの煙(呼出煙)やタバコの先端から立ち上る副流煙にさらされ、吸煙をよぎなくされている状態をいいます。 そして、同室内で喫煙が行われますと、一般的に喫煙者が吸入する10分の1の量の煙を非喫煙者も吸い込むと言われています。 さらに副流煙には主流煙(喫煙者口から吸い込む煙)の何倍もの有害物質が含まれています。 例えば、ニコチンでは3倍、タール3.5倍、一酸化炭素5倍、アンモニアに至っては40倍以上も多く含まれています。 これは、副流煙の発生する温度が主流煙よりも低く、有害物質が分解されないまま煙に移行するためです。 ですから喫煙者の周りに長時間いますと、非喫煙者でも喫煙者とさほど変わらない量の有害物質を体に取り込んでいることになります。
受動喫煙に関する調査によりますと、非喫煙者でも配偶者が喫煙者の場合、肺がんになるリスクは1.5倍から2倍も高くなります。 職場においても同じで、周りに喫煙者が多いほど、そのリスクは高くなります。 又子供への影響は大きく、幼少時の受動喫煙は成人後肺がんになるリスクを高め、その量が多いほどリスクは上昇します。
近年、国立がんセンターは「年1万9000にんが受動喫煙で死亡mその内1000人から2000人が肺がんによる」と発表しています。 受動喫煙は肺がんばかりでなく、気管支喘息、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞など60種以上の病気を引き起こします。
喫煙は喫煙者本人ばかりでなく、周囲の人の健康も害し、ひいては死を早めます、 タバコは「百害あって一利なし」です。 喫煙する方は、ご自身のため、ご家族のため、同僚のために禁煙にトライして下さい。
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